能ある彼女は敏腕社長に捕獲される

「身内が亡くなったことを連絡したくても母親はもちろんのこと、俺も紀香も連絡が取れなかったって」

「まあ、そうだろうね…」

我ながら冷たいけれど、基本的に無関心だった。

「正直なことを言うと、何とも思わないんだよな…。

父親が亡くなったことを聞いたのに、他人事にしか受け取れないと言うか…」

そう言った兄に、
「私も同じことを思ってる。

ピンとこないとも違うような気がするし、冷たいと言われたらそれまでかも知れないけど…。

それで、どうなったの?」

私は話を続けるようにうながした。

「遺体は父親の身内の方で引き取って葬式も身内だけで済ませたって」

「そう…」

兄に向かって私は返事をすることしかできなかった。

我ながら冷たい兄妹だ。