まぁ、水城の聞きたがってた名前の話はこれで終わりだけどよ。


…紗夜。


お前に面と向かって、あんまりこういう話することなんてないから、ついでに伝えとくよ。


お前のお母さん…館林美月は、俺にとって今も昔も最愛の人だ。


それは昔から変わらないし、これからも変わることなんてない。


だけど、今いちばん大切なものはなにか?って聞かれたら、俺は迷わず「紗夜」だって答えられる。


自分じゃ気づいてないかも知れないけど、それくらいお前…紗夜の笑顔に俺がどれだけ助けられたことか。


お前の涙に、たくさん癒された。


お前の存在が、とにかく嬉しかった。


お前がそばにいるだけで、心があったかくなれた。


俺は、幸せだよ。


もちろん…今もな。


今の俺がいるのは、お前がそばにいてくれたから。


俺の娘でいてくれて、ありがとう。


紗夜。