でもな、その真っ暗闇の中にいた俺を無理やり引っ張り出して、必死になって話しかけてくれた人がいた。


それも、美月の親父さんだった。


君の気持ちは痛いほど理解してるだとか、美月を失って悲しいのは君だけじゃないとか、色々言ってたような気がする。


まぁ、さっきも言ったけどよ。


実はあんまり覚えてねぇんだよな。


でも「今から大切なことを話す。これだけは忘れないで、しっかりと聞いてくれ」って、妙に真剣な物言いで前置きされたこと。


そこだけは不思議と、今でもまだ鮮明に覚えてるんだ。