世界中に溢れる"美しい"を、ぜんぶ。


「体調が悪くなったり眠たくなったら、すぐに寝ていいからね」

凪くんはそう告げてから、ふ、とひとつ息を吐いた。


「まず、僕のことについて話した方がいいよね。リンちゃんも疑問に思ってるだろうし」


凪くんは絹のような自身の白い髪の毛をひとふさ手にとった。


「リンちゃん。アルビノ、って知ってる?」


あたしはふるふると首を横に振る。

凪くんはひとつうなずいて、ゆっくりと目を伏せる。



白い睫毛が、凪くんの目元に影を落とす。