僕は物心ついたときから、髪の毛もまつ毛も肌の色も白かった。
自分が"普通"ではないと気づいたのは、小学校低学年のとき。
子供は、良くも悪くも正直な生き物で。
『凪くんの髪の色、変だよね』
面と向かってはっきりと告げた子に、周りの子たちもうなずいて共感を示した。
……ああ、僕は変なのだ。
そう理解した瞬間。
自分の存在が恥ずかしく思えてきて、生きていることすら億劫になった。
アルビノは短命だと聞くし、どうせ僕の髪色のように、色のない世界に生きる意味など無いと思った。
歳を重ねるごとに言われる悪口や、哀れむ目。
いつしか恥ずかしさは諦めへと変わり、何も感じなくなった。
その方が、ずっと楽だと思ったのだ。