世界中に溢れる"美しい"を、ぜんぶ。


けれど、もう大丈夫、と言えば授業に戻されてしまうかもしれない。

だからあたしは、ひとつだけ嘘をついた。


「まだ少し痛いです」
「じゃあこの時間はここで休んで、次の授業から出席しましょうね」
「はい」


ごめんなさい、月島先生。




お願い、神様。




────この一時間だけは、凪くんとお話しさせてください。