まもなくすると 先輩の有森隆志さんが練習を終え上がってきて

有森(おい!明日和!一緒に風呂に行くか!!)

(その後で 風呂掃除の仕方 教えてやるからさ!)

明日和(あ、はい! よろしくお願いします!!)

住込みの見習いは 今の時代では考えられないことばかりであった。

夜も門限があり10時までには寮に帰らなくてはいけなく 休日以外の夜は遊びに出歩くのは禁止(コンビニくらいはOK)だったし 風呂は 1番最後に入った者が掃除。

店で使う数多くのタオルも 休み前に出た分は 見習い5人で順番を決めて当番制で洗濯、干し、たたむところまでを1人でやるというルールがあった。

だから 休みの日にタオル当番になると 先輩でも 貴史に限っては よく 手伝わさせられることもあった!

だが 貴史のこの わがままも その後 共に遊びまわるようになると 仕方なく思え許せてしまった。

有森と風呂掃除を終え その後は2人でコンビニへドリンクやおやつを買いに行った。

有森は 上2人の先輩と比べると厳しすぎる訳でもないが 少し堅い人であった。

明日和にしてみれば このくらいの堅さの人も別に問題はなく先輩には恵まれたと思う瞬間であった。

23時30分が過ぎた頃 明日和は明日へ備えて寝ることにした。

当然 同じ部屋の住人 長岡貴史は 帰って来ていない。もう1人の浮かれポンチの汐見由紀夫も(笑)

明日和は初日の緊張からの疲れもあって睡眠薬でも飲まされたかのように あっという間に深い眠りについた。