「他人に嘘を吐かせて! 自分の気持ちまで売って、そんなに、軽々しく、売り渡せるものなんですか? なんで私まで嘘を吐かないといけないんだ!!!!!!! 無理です!!!目が合っただけで、体中が痒い!!!! 吐き気がする!!!! 気持ち悪い!!! なんでこんな行為に耐えてまで嘘を吐かないといけないのかわからない!!!! なにがドキドキだ!!!!
変な圧迫感と、強迫観念しか湧いてこない!!!!気持ち悪い!!!!!!!!」
あれは本心でした。
この星の人にはわからないでしょうけど、私の身体は既に、代理の人が居ないと生きていけないのですから。
自分の為の好きな物、自分の為の行動、自分の意思。
全てが他人を通して、代理人を通して実行される。
生れた時からずっと、それが当たり前。
リンちゃんが選んだ服を着て、リンちゃんが食べたものを食べていました。
そう、さっき述べたみたいに。私は、もう、この星で言う「手遅れ」で、リンちゃんを通してしか、私がわからない。
それが、今日からは、くまさんになります。
「ミャクミャク星には他にも人が居るんですか?」
「いるよー。沢山じゃないけど、結構な数がいるんだよ」
「会いに行きたいです」
「宇宙船が治ったらね」
くまさんの身体がまた少しだけ輝きを増したような気がしました。
早く、宇宙船に乗り込んで、宇宙へと旅立ちたい。
その為にも、今はまず、新たな宇宙船を確保しなくては。
「そういえば、ミャクミャク星の人達ってどんな姿なんですか? やっぱりくまさんみたいな感じでしょうか?」
「うーん、そうだねぇ。この世界で言うところの人間に近いかなぁ」
「へぇ……」



