「やっぱり拾い物はだめだ」

子供たちはバット君をへし折ろうとしました。

ボール君たちはバット君を助けるために、子供たちに飛びかかる決心をしました。

ボール君たちはもともと野球をするために作られた道具なので、人を傷つける使い方をするのはいやでした。

でも今はそんなことは言ってられません。


子供たちがバット君をへし折ろうとして、ボール君たちが子供たちに飛びかかろうとしたその時です。

「わしのバットを、わしの息子を傷つけることは許さん。そんなやつらが野球をすることもじゃ」

おじいさんがバット君たちを心配して探しにきたのです。

「お父さん、助けにきてくれたんだね」

「ああ。もう道具箱には入れないよ。わしの息子」

おじいさんは抱きしめたバット君たちに、今度ははっきりと答えました。

おじいさんに怒られた子供たちは、あわてて逃げていきました。