私はその日私立いちご学園に入学した、夏井彩だ。私は、人づきあいが苦手で中学の頃から友達がいなかった。だから、高校では絶対に友達を作るんだ!入学式の時間になり、皆が講堂に向かう。その中で一際目立つ男の子がいた。その子が誰かは分からなかったが、なぜか少し寂しそうな顔をしている気がした。入学式が終わり皆がクラスに戻る。入学式の前に少し寂しそうな顔をしていた男の子を見つける。だけど、彼の周りには男女問わずたくさんの人がいた。話しかけようと思っていたけど、私はそんな勇気が出ず、結局話しかけることが出来ず、一瞬にして入学式が終わってしまった。私は、卒業するまでに1回は話せたらいいなとその時は思っていた…入学式の次の日、学校に着くと教室にはまだ誰も来ていなかった。
「あっ…」私はつい呟いてしまった。誰もいないとまた1人なんだと思ってしまった。(こんな事思っちゃダメだ…)そんな事を思っていると、教室のドアが空いた。(あっ、誰か来た)「おはよ〜って、あれ?」そこには昨日悲しそうな顔をしていた男の子を見つけた。挨拶をしてくれたので、私も「お、おはよう」と返した。あれ、この人こんなにかっこよかったんだ。よく見ると席隣だし…
「やっと喋ってくれた。あっ、自己紹介がまだだったな、俺の名前は瑠衣!よろしく!お前名前は?」その人は私に挨拶をしてくれた。
「私の名前は、彩です!よろしくお願いします。」あれ、この子意外と優しい?見た目はちょっと怖そうだけど…。
「彩ちゃんって言うんだ。よろしくね。ねぇ、連絡先交換しない?」私は急な事に少し戸惑ってしまったが。「う、うん!ありがとう」
「どうかした?」瑠衣くんは、私に少し不安げに話しかけてくる。
「う、ううん…何もないんだけど…」私は瑠衣くんに全部話すか迷ったが瑠衣くんが、「全部言って。」と言ったので私は全部言うことにした。
「実は私、友達が出来たことがなくて、どんな事話せばいいかわかんなくて…」私は本当の事を口にした。
落ち込んでる私をみて瑠衣くんは、
「そうなんだ。なら、俺が友達1号だな!」瑠衣くんは笑顔で笑いかけてくれた。
「う、うん!これからよろしく」