義母ですが、若返って15歳から人生やり直したらなぜか溺愛されてます<第一部>

 その正面に騎士団の青い制服に身を包んだ一人の青年の姿がある。他の騎士と違い、金糸の刺繍が施されたもので、すぐに特別なものだと分かった。
「どうなさったのでしょう騎士団長様。横道にそれるなんて」
「話があると言ったのは君……か?」
 騎士団長らしき人物が割れた人並みの間から真っすぐにこちらに歩いてきた。
 こんなにたくさんの人がいて、口々に声を上げているなか、良く私の声が届いたな……と思うけど。
 そんなことより、動悸が止まらない。
 心臓のバクバクが……。
 騎士団長の顔を見たとたんに、激しく心臓が高鳴る。
 って、だめだめ。あんまり顔をじっくり見ている暇はなかったんだわ。
「何者かが落馬するよう馬に細工をした可能性があると……えーっと、殿下からの伝言ですっ。今一度馬具などの確認を」
 私の言葉に、ざわざわと周りにいた騎士たちがざわついた。

「すぐに、戻って確認だ」
「馬には乗るなと皆に伝えるんだ。念のため全ての馬の確認。手綱、鐙、蹄鉄、全てだ!」
 すぐに動き出した騎士たちとは別に、騎士団長はこちらを向いたまま動きを止めている。
 なるほど。騎士団長はどっしり構えることで周りの人間を焦らせないとかそういうこと?もうすでに周りの人間が動いているから指示を出すまでもないということ?
 それとも……私を見て、何か感づいたのか……。