〜後部座席に座る気になるあの子〜

瑠璃色の夜が終わる頃 薄明の空は紫色を醸し出す。
花巻泰都(はなまきひろと)はカブを走らせて新聞を一件ずつ 配ってゆく。

ヒロは空手家で父、花巻修(はなまきおさむ)母、花巻翠月《はなまきあずき》のもとに生まれ幼き頃に母親の翠月と死別し 祖母、花巻寧々(はなまきねね)に育てられた。

ヒロは今時の高校生ではあるが 少しヤンチャ気味。でも祖母想いの優しい少年。

身長は178cm中肉中背？少しスリム気味の少年だ。

だが空手家の子供とあって 見た目以上に体のつくりは頑丈で骨組みは並外れた強さがあり身体能力はかなり恵まれた方であった。

ヒロは 新聞配達を終えると 家に帰りシャワーを浴びて 寧々が作る朝食をいただく。

寧々はヒロの食べる姿を何気なく見て微笑んでいた。

朝食を済ませると ヒロは 親友の東堂暁(とうどうあきら)の家まで 自転車を走らせる。

ここは 学生なので少しヤンチャでも自転車でゆく。