「ありがとう!高峯くんのおかげでこの時間が幸せだったよ」
「高峯くん」
安藤が帰ってから何事もなかったかのように発した言葉に傷つく俺。
(幸せだったか…。)
過去形ってことは、安藤といれて幸せだったってことだよな。
(分かっててもへこむな…)
「高峯くんってば」
「ごめん、なに?」呼んでたなんて全然聞こえなかった。
「あのね、それでね、もう高峯くんに相談しないことにしたから。ほら、いつまでも頼りっぱなしも良くないと思うし、だから今までありがとう!」
(……なんでそう君はいつも俺の心を…かき乱すのかな…。)
俺の気持ちはどうしたらいい?
恋をして弱くなるばかり…。
思えばなにもできてないままで、こんなにもあっさり離れていく君に俺は…
……「なんで俺じゃダメなんだよ…。」
壱条がいなくなった後ポツリと本音を呟いた…。