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「安藤!久しぶりに帰ろうぜ!」

放課後になって安藤の肩に手を回しながら誘う。


「いいですよ、嬉しいです」ニコって笑った安藤を見て、


(その顔を壱条は見たいんだと。)


壱条はいつだって真っ直ぐに安藤しか見てねぇのに…

なんで安藤はいつまでも気づかないんだよ。


もう……

苦しませないでやってくれ。


俺だったら悲しませないのに。

俺だったら…


俺だったら………

…悔しい。

応援するのも、この恋が叶わないのも、

自分を見てくれていないのも……
 

全部、全部、、悔しい………ー。


「ちょっと待って、2人して先に行かないで!
3人で仲良く帰ろうね!」って微笑む君の一言で、

簡単に嬉しくなる気持ちも…



恋が、こんなにも苦しいのに、どうして嫌いになれないんだろう。