あれからと言うもの、壱条はよく来てくれるようになって。
安藤のことをこれでもかってくらい話してくれるようになって、
未だに安藤の想いを膨らましている君に。
(安藤になりたかった……。)
そんな風に考えてしまうほど。
でも、安藤はと言うと話しても"はい"しか言わないらしく、ずっと下を向いているんだとか。
安藤の気持ちが知りたいらしいんだけど。
聞く勇気はなくて話しかけることさえも最近は
、できないんだとか。
それでー………
「また俺と3人で帰って欲しいと」
「そうなの、あの時の笑った顔が離れられなくてもう一度みたいななんて…」
(は………。なるほど。)
あれからと言うもの何一つ行動にも言葉にも、
移せてない俺はこの想いを今日もしまって、
「ならまた放課後行くから待ってて」なんて言ってしまうんだ。