「ごめん、待った?」


放課後になった俺は、一目散に壱条に会いに行った。


「ううん、それより安藤くん今帰っちゃった」


(早くない?アイツ

ーー………帰るの早!!!)


「まだ追いつくと思うから行くぞ」


2人で階段を降りていくと目に入る後ろ姿に俺は声をかける。


「安藤待てよ!」


俺の声に反応して振り向いてくれた安藤に


「よかったら一緒に帰らね?
俺の友達の壱条も居るんだけど、どう?」


驚きつつも安藤は「はい、喜んで」と言う声に壱条は顔を赤らめて、


俺に「ありがとう」なんて言葉をくれて、


(ああー何やってんだろう、、俺)

恋のキューピッドみたいになってどうするんだよ、と自分でも嫌になる。


でも、嬉しそうにしている壱条を見ると、

つい俺までも嬉しい気持ちになって…

本当はこのままがいいんだけど。

壱条のことを考えるとまた俺は背中を押してしまうんだー…