「莉世ちゃんの言うとおりだよ!ほら、レイアウト考えてきたから、これ見ながら模造紙書いていこう」
田場ちゃんが鞄から何枚かの紙をだして、私たちの目の前にかざす。それを見れば、あっというまに模造紙の無言の圧力から抜け出して、私たちは歓声を上げた。
「おお~っっ!!田場ちゃん、すごい!!」
「きゃー!女神!!惚れるっ!!」
「田場ちゃん、ありがとー!!」
持つべきものは田場ちゃんだ。ゲンキンな私たちは田場ちゃんが出してくれた設計図を下に作業を進めた。
うちの学校の文化祭は「日頃の学習を保護者の方に披露する場」となっていて、カフェとかみんなでおそろのTシャツとか、そういうきらきら感一切なし。
入場するのだって、在校生からチケットをもらわなければだめだ。……女子校だからセキュリティ万全で保護者のウケはいいらしいけれど、生徒ウケはとても悪い。

