「とにかく、そろそろヘタレ卒業しないと。友莉さんが心配してた。莉世、高校生になってから何回か告られて付き合ってるって。まぁ大した付き合いじゃないみたいだけど……手遅れになるかもね?」



兄貴はベットから立ち上がって、わざわざ近くに来て「やばいね」と俺の髪を乱暴に掻き回す。



「わかってる」



言われるまでもない。……ヤバすぎだろ、本当に。


うっとおしい兄貴の手を振り払いながら言えば



「それならいいわ」



と兄貴は軽く言って部屋から出ていった。







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「今頃は」ね、きっとお父さんだなぁ。そんな風に感情を処理してるだろうなぁ。

多分、あの時点では……違っただろうけど。

あんなに距離詰めたくせに、視線合わせないとか、泉はツメが甘いよなー。

莉世もだけど、泉も鈍感……。でも、そこがかわいい弟だよねぇ。