◆
どうやってカフェを出てきたんだろう。
気が付くと駅のホームにあるベンチに座っていた。
私、ココア、どうしたかな…。
そんなことが頭をよぎるのは、きっと何も考えたくないから。
鼻の奥がツンとして痛くて、喉の奥に熱が詰まって苦しい。
「…莉世ちゃん?」
名前を呼ばれた気がした。
「……なんで泣いてんの?」
泣いて?
言われて自分の頬が濡れていることに気がついた。
拭っても流れた涙は次々と溢れてきてきりがない。
頬に誰かの指先が触れて、その元を辿れば……葉山さんがいた。
私の横に座って、心配そうに瞳を揺らしている。
なんで葉山さんがいるんだろう。
「…片桐となんかあった?」
名前を聞いただけで、ぐらりと世界が揺れる。
一瞬、期待した。
涙を拭ってくれたのは、泉なんじゃないかって。祈るようにそう願った。
そんなの、あるわけない。あっちゃいけない。また頼ってしまう。
「なにも、ないです」
泉はなにも悪くない、昔から。
気づきたくなかった。見ないふりしたかった。
両手で顔を覆って、涙を止めようとするのに、ちっとも言うことを聞いてくれない。
「…‥俺に、寄りかかってもいいよ」
優しい声が聞こえる。
きっとそこはあたたかくて、私の涙を止めてくれる。
でも。
ちがうの、そこじゃないの。
本当は昔からちがうの。本当に待ってた人は一人だけだから。
もうごまかせない感情に気が付けば、ぷるぷると首を横に振るしかできなかった。
どうやってカフェを出てきたんだろう。
気が付くと駅のホームにあるベンチに座っていた。
私、ココア、どうしたかな…。
そんなことが頭をよぎるのは、きっと何も考えたくないから。
鼻の奥がツンとして痛くて、喉の奥に熱が詰まって苦しい。
「…莉世ちゃん?」
名前を呼ばれた気がした。
「……なんで泣いてんの?」
泣いて?
言われて自分の頬が濡れていることに気がついた。
拭っても流れた涙は次々と溢れてきてきりがない。
頬に誰かの指先が触れて、その元を辿れば……葉山さんがいた。
私の横に座って、心配そうに瞳を揺らしている。
なんで葉山さんがいるんだろう。
「…片桐となんかあった?」
名前を聞いただけで、ぐらりと世界が揺れる。
一瞬、期待した。
涙を拭ってくれたのは、泉なんじゃないかって。祈るようにそう願った。
そんなの、あるわけない。あっちゃいけない。また頼ってしまう。
「なにも、ないです」
泉はなにも悪くない、昔から。
気づきたくなかった。見ないふりしたかった。
両手で顔を覆って、涙を止めようとするのに、ちっとも言うことを聞いてくれない。
「…‥俺に、寄りかかってもいいよ」
優しい声が聞こえる。
きっとそこはあたたかくて、私の涙を止めてくれる。
でも。
ちがうの、そこじゃないの。
本当は昔からちがうの。本当に待ってた人は一人だけだから。
もうごまかせない感情に気が付けば、ぷるぷると首を横に振るしかできなかった。

