キミの恋のはじまりは


花島さんを見返すことができないから、いまどんな表情を彼女がしているのかわからない。

きっともう彼女と目を合わすことはできない。

私の中の見たくないものが、ぱらぱらと暴かれていくような気がした。



「ちょっと聞いたんだけど…。莉世ちゃん、小学校の時いろいろあったって。それで中学から星花行ったって。…そういうの、片桐くん気にしてるんだろうね。幼なじみなのになにもできなかったって。責任感で縛られちゃってるんじゃないかな」



…そんなことない、って言えたら良かったのに。

でも、言えなかった。

だって私が一番そう思ってきたから。

いつも私のことを心配して気にかけてくれる泉。

間違えてない?勘違いじゃない?

その好きは…。



膝の上にある手のひらをぎゅっと握り締めて、呼吸が震えそうになるのをなんとか堪える。



「…わかって、ま、す…」



やっと絞り出した声は、あまりに弱々しくて自嘲してしまった。


滑り落ちそうな涙を止めたくて俯いたまま目を閉じれば、小学生だった頃の泉の笑顔が瞼の裏に浮かんで、すぐに消えた。


私はいつも間違えてばかりだ。