「…花島さんも、買い物ですか?」
「私は勉強。家でするよりカフェで勉強したほうが頭に入るから」
テーブルに落とされた目線を追えば、参考書やプリントが広げてあった。
プリントの端っこをちょこんと摘んだ花島さんは、恥ずかしそうに目を細める。
「私、できる方じゃないから。頑張らないと。来年もまた片桐くんと同じクラスがいいから」
「…え?」
「うちの学校、高2になると特別進学クラスができるの。片桐くんって頭いいからそこに入っちゃうだろうから。いまの私の成績じゃ同じクラスになれなそうなんだよねー」
「…そうなんですか」
あ、やっぱり泉のことが好きなんだ…。
その気持ちで一生懸命頑張る花島さんが眩しくて、まっすぐ見返すことができなくてココアからたつ湯気をぼんやりと眺めた。
それに、泉がそんなに頭いいなんて知らなかったし…。
そんなの仕方がないことだってわかっているのに、私が知らなくて花島さんが知っている泉に出会う度、また心臓が痛い。
指先が震えそうなのを抑えてココアを口に含むけれど、大好きなこっくりした甘さはやってこない。
「すみません、勉強のお邪魔して。私、あっちの席に…」
と腰を上げかけると、鋭い声に響いた。
「まって」
ぐっと力を増した真剣な色をした瞳に捕まって、逃げられなくなった。
「私は勉強。家でするよりカフェで勉強したほうが頭に入るから」
テーブルに落とされた目線を追えば、参考書やプリントが広げてあった。
プリントの端っこをちょこんと摘んだ花島さんは、恥ずかしそうに目を細める。
「私、できる方じゃないから。頑張らないと。来年もまた片桐くんと同じクラスがいいから」
「…え?」
「うちの学校、高2になると特別進学クラスができるの。片桐くんって頭いいからそこに入っちゃうだろうから。いまの私の成績じゃ同じクラスになれなそうなんだよねー」
「…そうなんですか」
あ、やっぱり泉のことが好きなんだ…。
その気持ちで一生懸命頑張る花島さんが眩しくて、まっすぐ見返すことができなくてココアからたつ湯気をぼんやりと眺めた。
それに、泉がそんなに頭いいなんて知らなかったし…。
そんなの仕方がないことだってわかっているのに、私が知らなくて花島さんが知っている泉に出会う度、また心臓が痛い。
指先が震えそうなのを抑えてココアを口に含むけれど、大好きなこっくりした甘さはやってこない。
「すみません、勉強のお邪魔して。私、あっちの席に…」
と腰を上げかけると、鋭い声に響いた。
「まって」
ぐっと力を増した真剣な色をした瞳に捕まって、逃げられなくなった。

