キミの恋のはじまりは


プレゼント、プレゼント、と頭の中で呪文のように唱えるけれど、悲しいかな。何も思いつかない。

このところ学校帰りにいろんなショップを覗いているけれど、今更ながらそれにぶつかって、愕然とする。


泉のこと、あまり知らない。


うーん、と唸りながら頭の中で泉について知っていることを整理する。

甘いものは、多分好き。

辛いものは、…わかんない。食べてるところ見たことない。話したこともない。

好きなスポーツは、サッカー。部活やってるし、泉の部屋にはサッカー選手のポスターがはってある(でも誰かは知らない)。

芸能人は?テレビは?好きな色は?


…知らないことばかり。


そもそも、泉の誕生日なのに、私の好きなもの食べに行くってどうなの?!

もっと泉が喜ぶようなサプライズを用意するべきじゃない?!


なんて、勝手にハードルを上げてみるけれど、思いつくはずもない。


だけど…。


泉にとって楽しい日にしたい。

蕩けるようなあの笑顔をまた見たい。

…私だけに見せて欲しい。


うん、とひとり小さく頷く。


きっともう答えは出てる。