泉との関係に名前をつけるとすると、いまもやっぱり幼なじみだ。
あの時「ゆっくりでいいから」と言ってくれたとおり、なにも聞かずにいてくれる。
だから、私たちはそのまま。
……ただ、確実に違っていることもある。
今日みたいに、学校の帰りに待ち合わせして一緒にお茶したり。泉と一緒に寄り道をする日がくるなんて思わなかった。
朝も乗り換えターミナル駅まで一緒に行くようになった。
玄関先のガレージに佇む泉を見つけたとき、一瞬であの頃に戻ったように心が動きだすのを感じた。
「おはよ」と目を細めた泉が、昔になくしてしまった甘い記憶と重なって胸の奥が熱くなった。
「……なんで?」
「ほんとはずっと一緒に行きたいって思ってたから……」
照れて口元に当てた手のひらから隠しきれていない頬が少し赤く染まっていて、それだけで心が疼く私がいて。
「だめ?」少し水分の多いその瞳で覗き込まれれば、うまく言葉がでなくなってしまったので、精一杯、首を横に振った。
「よかった。帰りも部活ない日は一緒に帰りたい。待ち合わせしよ?」
「……うん」
短く答えると、嬉しさをこぼす目の前の泉に、きゅっと絞られるような感覚が体を駆け巡る。
泉と過ごす時間が増えていく。
離れていた時をやり直すみたいに。昔みたいに、私の毎日に泉がいるのが当たり前になっていく。
――――― でも、それが少しこわい。
あの時「ゆっくりでいいから」と言ってくれたとおり、なにも聞かずにいてくれる。
だから、私たちはそのまま。
……ただ、確実に違っていることもある。
今日みたいに、学校の帰りに待ち合わせして一緒にお茶したり。泉と一緒に寄り道をする日がくるなんて思わなかった。
朝も乗り換えターミナル駅まで一緒に行くようになった。
玄関先のガレージに佇む泉を見つけたとき、一瞬であの頃に戻ったように心が動きだすのを感じた。
「おはよ」と目を細めた泉が、昔になくしてしまった甘い記憶と重なって胸の奥が熱くなった。
「……なんで?」
「ほんとはずっと一緒に行きたいって思ってたから……」
照れて口元に当てた手のひらから隠しきれていない頬が少し赤く染まっていて、それだけで心が疼く私がいて。
「だめ?」少し水分の多いその瞳で覗き込まれれば、うまく言葉がでなくなってしまったので、精一杯、首を横に振った。
「よかった。帰りも部活ない日は一緒に帰りたい。待ち合わせしよ?」
「……うん」
短く答えると、嬉しさをこぼす目の前の泉に、きゅっと絞られるような感覚が体を駆け巡る。
泉と過ごす時間が増えていく。
離れていた時をやり直すみたいに。昔みたいに、私の毎日に泉がいるのが当たり前になっていく。
――――― でも、それが少しこわい。

