キミの恋のはじまりは

もし、泉にあったら気まずいな……。

私がいたらまた泉に余計な気を使わせてしまう。

それに、この間のような知らない泉をまた見てしまうのだと思うと、ちくりと体の奥に痛みが走る。


やっぱり、私ってずるいなぁ……。


自嘲気味に口元が歪んでしまうのを、なんとかお腹の奥にしまいこんだ。



「ううん、私はやめておく」

「えー!行こうよ!」

「あ、片桐と行く予定だったりする?」

「違いますけど……」

「じゃぁ他の予定あった?」

「ないですけど……」

「莉世~、ならいいじゃん、行こうよ~」



真由ちゃんが顔の前で手を合わせて「お願いだよ~」と拝んでくる。


うぅ、だめだよ、私。少しは学習しようよ。

ちゃんと断ろう!!


自分を奮い立たせ、もう一度しっかり言おうと顔を上げたとき、こたくんのうるんだ瞳と目があった。