キミの恋のはじまりは

「あれ?あれ……??」


こたくんは落ち着きなく視線を彷徨わせてながら、ぎゅっと手のひらを握り締めた。その目にはみるみるうちに涙が溜まっていく。


これは…はぐれちゃったんだ。


真由ちゃんと顔を見合わせて


「大丈夫だよ、一緒にさがそうね」
「心配ないよ、すぐ見つかるから」


柔らかい髪をよしよしと撫でると、こたくんは涙がいまにもこぼれそうな瞳で私たちを見上げた。



「ぼ、ぼく、おに、おに……」

「おに?」

「おに、い~っ、」



こたくんが堪えきれず目をぎゅっとつぶると、大粒の涙がぼろぼろとこぼれ落ちた。



「わぁ!だ、大丈夫だよ~!」
「すぐ探そう!いますぐ見つけてあげる!!」



真由ちゃんとふたりで急いで周囲に視線を走らせる。それらしい人はいないだろうか。

こたくんは腕で目を抑えて唇を噛み締めながら、しゃくり上げている。

心細いのを我慢しているようなその泣き方がいじらしくて、はやく見つけてあげたいと心が焦る。