キミの恋のはじまりは

泉が泣いた。

泉はすぐに腕で目を抑えたけれど、見えてしまった。



「はやくあっち行って」



背中をぐいぐい押して教室の中に押し込む。

私に押されるまま、のったりと泉の足が動き出す。



私が、泣かせた。



黒く暗く想いが広がっていく。

息が苦しくて、のどが詰まる。

泉の背中から手のひらに伝わる熱が、ひりひりとして火傷したみたいに痛い。




泉をなんとか教室に戻して振り向けば、私から落ちた緑の雫が廊下の所々に水玉のシミを作っていた。



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