キミの恋のはじまりは

込み上げてきた涙がこぼれないよう、瞬きを我慢して目に力を入れた。

いまだけ強い自分でいられるよう、祈りを込めて泉を見据えた。



『もう泉はあっちにいって!』



私のいつになく強い口調に、泉は動かないままこっちを見つめてくる。



『でも!』



これだけの騒ぎになれば、さすがにクラスメイトたちもいつもと様子が違うことに気がついてざわつき始めている。


早く終わらせなくちゃ。

もう泉が悲しまないように。泉を巻き込むことがないように。

先生が来る前に。

泉を遠ざけなくちゃ。


そればかりが頭を占めて、ぐっと喉の奥から搾り出すように声を紡いだ。