「……ほんとに夕飯、作ってくれたんだ」
「あぁ、うん。料理とかあまりしたことないから、こんなものしか作れないんだけど……」
フライパンの中にあるチャーハンとその隣の小鍋の中のスープを見て、泉は目を細めた。
「莉世、包丁使えたんだ?」
「はぁ?」
「変なもの入ってたらどーしよ?」
「なにそれっ!潤くんといい、泉といい、私を見くびりすぎだよ」
意地悪な瞳を向けてくる泉にむっとして唇を尖らせながら言い返す。そんな私を見て、泉は面白そうに肩を揺らして笑っている。
でも、よく見ればその目は優しい色をしていた。それに気がついてしまえば、大きく脈打つ鼓動がうるさくて。
ずっと変わらない泉にこんなこと気づかれたくなくて、いつもどおりの憎まれ口を返してしまう。

