キミの恋のはじまりは



泉たちの様子をなるべく気にしないようにしつつ、夕飯作りが終わる頃。



「終わったから、駅まで送ってくるわー」



泉がローテーブルから立ち上がって、私と潤くんに声をかけた。

泉の方を見ると目があったのに、なぜかゆるりと逸らされた。

さっきまでみんなの中で笑っていたくせに、私に向けたそれはかすかな歪みを含んだ無表情に近いものだった。


……私がいて嫌だったんだな。早く帰ればよかったよね。


わかってるよ、もう間違えない。


でも……。


『莉世のところしかいたくない』


耳の奥であの言葉が鳴って、自分はどうしたいのか、どうなって欲しいのか、わからなくなってしまう。