キミの恋のはじまりは



……あ、だから。さっきの妙な間は。お姉ちゃんのこと知ってるからか。

……そっか。



「だよね、お姉ちゃん、ああ見えてけっこうポンコツだから」



美人で優しくてなんでもそ卒なくこなすお姉ちゃん。でも、本当は心配性で努力家で、いつも頑張っている人。



「でも……、そこがお姉ちゃんのいいところだし、好きなところ」



自然と頬が緩んで隣にいる人を見た。潤くんはいつもよりさらに優しげに目を細めて笑っている。言葉はなかったけれど、それをみればわかる。


……好きだった。


いつも優しく頭を撫でてくれる手が大好きだった。あの温かさは沁みて痛いくらいだった。

でも、いまは、もう違う。潤くんの温かさは形を変えて私の中にある。

しっくりとくるこの気持ちが、きっと答えだ。



「潤くん、ありがとう」



呟けば、潤くんは惚けたように首を傾けながら「照れんね」と頬を人差し指で掻いて眉を下げた。