キミの恋のはじまりは




少し考えるような間があって、潤くんはなぜか私を伺うように見てから



「……じゃぁ本当にお願いできる?」



冷蔵庫へ誘ってくれるので、キッチン側へ回り込んでその中を確認させてもらう。

本当は、料理のレパートリーはほとんどないに等しい私だから、内心焦りながらメニューを巡らせた。

冷蔵庫の中を見れば、頭の中に浮かんだものが作れそうで、ほっとして隣にいる潤くんを見上げた。



「チャーハンとスープなら、できそう」

「へぇ、なんのスープ?」

「えっと、ブロッコリーと卵の中華スープ」

「ああ、あれね。美味しいから好きだわ」


……食べたこと、あるんだ。


「お姉ちゃんも作ってた?」



聞かなくてもわかっているのに、あえて言葉にした。心は想像していたよりも騒がなかった。



「そう、あの人、まともに作れるのそれぐらいでしょ。片付けも苦手だし。あれで一人暮らしなんとかなってるんだから、世の中、便利だよね」



潤くんは呆れたように肩を窄めた。でも、それが全然いやな感じがしなくて、むしろ……。