再び、光が差す-again-〈下〉

「待って、菜穂!」


すぐに追いかけたつもりだったが、菜穂の足が速すぎて病院の外でやっと捕まえる。


「うぅ…」


近付いてから菜穂が大泣きしていることに気付く。

周りの目なんて気にせず、子供のようにボロボロと涙を流して顔はもうぐしゃぐしゃだった。


「よく我慢したよ、偉いよ」


いつも強がって、浅はかな恋のくせにと告白してきた男を振っていた菜穂は、今までにないくらい子供に見えた。

そんな菜穂を私は抱き締める。


「うわぁーん!」


菜穂は鼻水や涙が私の服に濡れることなんて気にせずに、むしろハンカチ代わりにして大泣きする。

私は菜穂が泣き止むまで、周りの視線に恥ずかしくなりながらも背中をずっと摩っていた。