再び、光が差す-again-〈下〉

「何でそんな迷惑そうな顔するのよ、幸人の友達のお見舞いに行くのがそんなに迷惑?」


どうやら桜さんは幸人には何も伝えず雪希の見舞いに来たようだった。

だから幸人は息を切らすほど急いで来たのだ。


「それは…」


幸人がチラッと菜穂の方を見る。

それが気に食わなかったのか、桜さんが背伸びをし幸人の顔に近付いてキスをしようとする。


「っなにしてんだよ」


桜さんの突発的な行動に驚いて、幸人が一歩後退り距離を取る。

この光景を見て、私は悟った。

幸人は桜さんに振り回されているのだと。

雪希の病室で好き勝手する桜さんに嫌気がさし、菜穂は自分のカバンを乱暴に取ると、反対の手で私の手を取る。


「もう帰ろう」