再び、光が差す-again-〈下〉

眠っていた雪希が、やっと目を覚ました。

私は今までにないくらい安心して、気付けば床に力無く座り込んだ。

これで安心だ、みんな安心できる。

紀子さんも、菜穂も、カオルも、みんなやっと安心出来る。


「私、先生呼んできます」


私は病室を飛び出し近くの看護師さんに伝える。

すぐに医者が来てくれて、雪希の状態を確認すると「もう大丈夫です」と何より安心出来る言葉をくれた。

雪希が目を覚ましたが、もう面会時間も過ぎていたのでまた明日会いに来て欲しいと紀子さんに告げられそうすることにした。

送って行くと言う紀子さんを、母が迎えに来てくれると優しい嘘をつき私と菜穂は一先ず今日のところは帰ることにした。

私は菜穂と夜道を歩きながら、菜穂はみんなに泣いて電話をし雪希の状況を伝える。

電話越しから喜ぶ声が微かに私にも聞こえ、菜穂と顔を見合わせ一緒に笑った。

またいつもの日常が送れるのだと思ったら純粋に嬉しくなった。

家に帰って、母に雪希の意識が戻ったことを報告すると、


「…そう」


それだけ言って母はまたパソコン画面に向き合った。

すぐさま仕事に集中してのめり込む母にありがとうの意味を込めて頭を下げた。

その日、私は久しぶりにぐっすりと眠れた。