再び、光が差す-again-〈下〉

その時、私の耳に微かな声が聞こえた。


「綺月?」

「綺月ちゃん、何してるの?早く行くわよ」


足を止めてその場から動かなくなった私に、二人が怪訝な顔をして見てくる。

でも私は二人の顔では無く、眠っている雪希の顔を見る。

そして、今度は雪希の手が一瞬ピクリと動いた。


「紀子さん、菜穂」

「ん?」

「雪希の手が今、動いて」

「えっ」


私が声を詰まらせながら伝えると、紀子さんと菜穂は驚いて雪希に近寄る。