「ヤッター!!」

「しっ!うるさい!近所迷惑!」

「いつにする?俺いつ説得しに行ったらいい?」

「落ち着いたらって自分で言ってたじゃん」

「明日には落ち着く」

「嘘つけ」

「これで俺は綺月を抱き潰して寝れる」

「奈都もいるんだから、一緒に寝ないよ!」

「奈都ももう高校生だからそこは弁えてるよ」

「そういう時だけ高校生扱いするんだから。
この前同じクラスの男子と歩いているの見て殺気ビンビンだったくせに」

「うるせぇ、それとこれとは別だ」

「嫌なお兄ちゃんだなぁ」

「でも彼氏としては好きだろ?」

「はいはい」

「おい!適当にあしらうなよ!」


私は満開な桜に足を止め眺めてから、桜の木の下で振り返り、不貞腐れているカオルに言った。


「ゆくゆくは結婚してあげるし、カオルとの子供も産むけど、とりあえず一緒に住んであげるね」


ちょっと小馬鹿にするように言ったのに、その言葉でも十分満足したのか、カオルは私を強く抱き締めるとブンブンと左右に振り回す。