再び、光が差す-again-〈下〉

「お母さん、もういいから」


もう自分のことを責めなくていいから。


「お母さんも、自分だけの人生を生きて」


お姉ちゃんの言葉と同時に、レースカーテン越しから光が漏れるようにこの部屋を明るく照らした。


「私、妊娠したの。お母さんになりたいの」


この瞬間、母の顔がいつになく歪んで嗚咽混じりの声が漏れる。


「お母さんみたいな一生懸命なお母さんになるから。私はもうとっくに私の人生を生きてる。
だから、もういいよ、もういい。お母さん」


決して投げやりの"もういい"では無かった。

母を母としての呪縛から解放するような、お姉ちゃんの優しさが前面に出た"もういい"だった。

その言葉以外何も要らなかった。

母は暫くお姉ちゃんと私の前で泣いていた。

その間、ずっと太陽は私達のために照らし続けているように、部屋を明るくしてくれていた。

この日、母の真っ暗闇な視界に光を与えたのは間違いなく母を最初に否定したお姉ちゃんだった。