再び、光が差す-again-〈下〉

その私の気持ちを代弁するかのように、3年ぶりにお姉ちゃんが母に初めて声を上げた。


「…ふざけないでよ、今更謝ったりしないでよ」


お姉ちゃんも私と同様に、色んな感情が入り交じった涙を目一杯に溜め、小さくなる母に言う。


「あんたが謝ったら、私の18年間が間違ってるみたいになるじゃん!」

「…お姉ちゃん」

「ふざけないでよ…お母さんが好きだった昔の私まで間違ってるみたいになるじゃないっ…」


"あんた"から"お母さん"へとお姉ちゃんは呼び方を無意識で戻した。

その瞬間、お姉ちゃんが本当の意味でこの家に帰ってきたようだった。


「確かに私はお母さんに傷つけられて心も身体もボロボロになったけど、あの18年間は私だけの18年間だった」


母が目元を隠していた手を下ろすと、ゆっくりと顔を上げお姉ちゃんを見た。


「異常だったとしても、思い出したくない過去だとしても、私以外が私の人生を否定しないで」


その言葉を聞いて、やっぱりお姉ちゃんには敵わないと思った。

私が強くあろうと思えるのはお姉ちゃんが居てくれたからだ。

学校のお姉ちゃんは生徒会長を務めるほど優等生で、家では妹思いで両親の前でもお利口だった。

そんなお姉ちゃんを見て、当時は「なんて生きづらそうなんだ」「私はお姉ちゃんみたいにはならない」と思っていた。

それと同時に、いつだって私は本当の気持ちを隠していた。

本当は「お姉ちゃんみたいになりたかった」と。

誰からも求められて、母の期待に応えられて、強くて優しいお姉ちゃんに。