「…綺麗ね」
聡さんの言葉を聞いた母は口から滑り降ちるように本音を漏らす。
「…綺麗?」
不思議に思ったお姉ちゃんが聞き返した。
「心が、綺麗なのね」
母は奥歯を強く噛んで、込み上げてくるものを必死で抑えていた。
「この家に来た彼らも、心が綺麗だった。
誰かに傷つけられても、誰かを傷つけても、社会の秩序に弾かれても、大人に罵られて否定されても、私のような人間に蔑む目を向けられても、彼らはいつだって自由に生きていた」
私のようなと、自分を卑下する言い方に私はそんなことは無いと母の手をまた更に強く握る。
「あなた達を見ていると、どれもこれも間違っていたのだと思い知らされる」
母は手で目を隠して俯いた。
お姉ちゃんは、その一言一言を、時折見せる弱い表情を、一瞬一瞬の動作を、瞬きすることも無く見ていた。
どれも強くて厳しくて怖い母からは、見た事のない想像さえもできないほどの弱音を見せる初めての母にお姉ちゃんはただただ驚いていた。
聡さんの言葉を聞いた母は口から滑り降ちるように本音を漏らす。
「…綺麗?」
不思議に思ったお姉ちゃんが聞き返した。
「心が、綺麗なのね」
母は奥歯を強く噛んで、込み上げてくるものを必死で抑えていた。
「この家に来た彼らも、心が綺麗だった。
誰かに傷つけられても、誰かを傷つけても、社会の秩序に弾かれても、大人に罵られて否定されても、私のような人間に蔑む目を向けられても、彼らはいつだって自由に生きていた」
私のようなと、自分を卑下する言い方に私はそんなことは無いと母の手をまた更に強く握る。
「あなた達を見ていると、どれもこれも間違っていたのだと思い知らされる」
母は手で目を隠して俯いた。
お姉ちゃんは、その一言一言を、時折見せる弱い表情を、一瞬一瞬の動作を、瞬きすることも無く見ていた。
どれも強くて厳しくて怖い母からは、見た事のない想像さえもできないほどの弱音を見せる初めての母にお姉ちゃんはただただ驚いていた。


