再び、光が差す-again-〈下〉

それから絡まった自分の感情が、解けることなく絡まり続ける中、一学期が終了し夏休みに入る。

夏休みに入って、変わったのは海斗が出て行ったことと、勉強に費やす時間が増えたことだ。

給料が無事に入った海斗は、ギリギリまで居座り、半ば私が追い出す形で渋々家を出て行った。

図々しい居候がいなくなったと同時に、私は勉強に一層集中するようになる。

今は母にお願いして夏休み期間だけ塾に通うほど勉強漬けの毎日だ。

塾に行っていることを一応カオルに電話で伝えると、

「分かった、頑張れ」

と言われ、電話は切られた。

もう少し何か話したけど、簡潔にまとめてしまえばそれだけだった。

5分も満たないような短い電話に、私の不安は募る一方で、それをかき消すように勉強に集中した。

会いに行けばいいものの、何をそんなに躊躇っているのか自分でも分からなかった。

今まで感情に任せて会いたいと口走ったり、自分からキスしたりしていたのに、考える時間が増えれば増えるほど妙に冷静になって考え込んでしまい、言いたいことも言えないまま時間だけが過ぎてゆく。

そんな時、私の携帯に一本の電話が入る。

着信は菜穂からだった。


「やっほー!元気ー?」


電話に出ると、相変わらずの楽しそうな声に私は出て早々笑みが零れる。


「元気だけど、どうしたの?」

「受験勉強で忙しいところ悪いんだけど、今度少しだけ時間作ってくれないかな?」

「いいけど、何かあったの?」


そう聞くと、菜穂は「えー」とか「んー」とか言いにくそうにしながらモゴモゴと口篭る。