再び、光が差す-again-〈下〉

「よく我慢してるわ、カオルの奴」

「…我慢?」

「俺はアイツがお前のペースに合わせてるだけだと思うけど、それに不満感じてんなら早く言った方がいいぞ。可哀想だから」


私が受験生だから、それに合わせてくれているのだろうか。

今思えば、テスト前はいつも私に合わせてくれていた。

もしかして受験が終わるまで私のペースに合わせて我慢し続けるつもりなのだろうか。


「お前のためなら受験終わるまで我慢するだろうな、いつからあんな紳士的になったんだよ。気持ち悪っ」


昔のカオルだったらありえないような溺愛っぷりに、海斗はわざとらしく体を震わせて見せた。

海斗の言ったことが本当なのかは分からないが、もし私の受験に合わせてくれているのなら、まだ飽きられていないことになる。

少しだけ私は安堵した。

それと同時に、この恋にいつか終わりが来るとき、私はカオルを手放せるのかと変なことを考えるようになった。

だって、初めての恋がこのまま一生の恋になるなんて、そんな都合の良い愛され方が存在するとは思えなかった。

ネットで調べてみれば、ほとんどの人は別れと出会いを繰り返していたし、菜穂の言う通りほんの些細なことですれ違って別れることも珍しくは無いことを知った。

今までが上手く行き過ぎてたのではないかと急激に不安になる。

…あ、またつい考え過ぎてしまう癖が出ている。

私は不安を消すように強く目を瞑り、その日は無理矢理眠りについた。