再び、光が差す-again-〈下〉

「…あれ、別に私はマシだとは思わなかったな」


は?いや、美月なんかよりも俺は全然マシだろ。


「私は、海斗の家庭環境とかよく知らないし、どうやって今まで生活してきたのかも分からないから、比べようも無くない?って思っちゃったんだよね」


……は?

俺は綺月の言葉が理解出来ないのか、首を傾げる。

その反応を見て、綺月が選びながらも言葉を付け足す。


「辛さとか痛みとかってさ、そもそも人それぞれで感じ方が違うじゃん?
縛られてないからって海斗の生きてきた環境がマシになるっていう結論に至るのは違う気がする」


縛られていないから自由だというイコールで結び付けた自分が作った式を綺月は否定した。


「痛みはそれぞれ違うから、比べるようなことはしてはいけない。
他人が誰かの痛みに寄り添っても、間違えてその痛みを測ろうとしてはいけない。
海斗の痛みは、海斗にしか分からない」


傷つけられていることに鈍感になってはいけない。

自分が泣いていることに見ないフリをしてはいけない。