再び、光が差す-again-〈下〉

奈都は子供のように足をバタバタさせながら、ずっと思っていたことを何気無い感じで話す。


「お兄の妹から見て、何もって言う人は大抵何かしてるんだよ」

「…本当にどこにも行ってないし、何もしてねぇんだよ」

「電気を点けるたった一つの行動でさえやらなくなるほど、何もしてなかった?」


本当に何もしてなかった。

何もしていないけど、時間が経つのがあっという間なほど、深く何かを考えていた。

何かをひたすら考えていることは、何もしていないのと同じようなものだと思っていた。

でも奈都の言い草は、違うと言っているように感じた。


「奈都ー、奈都は何飲む?」

「ジュース!」


奈都は俺から離れると、綺月達の元へ駆け寄って行った。

────まただ。

また自分だけが世界から取り残されているような気分になる。

分からない、自分のことなのに分からない。

もう考えることを放棄したい。

変わらなくてもいい、このままでいい。

ずっとこのまま中途半端な自分でいい。

俺はまた自分で作った頑丈すぎる壁の前で立ち尽くしたまま動かなくなった。