再び、光が差す-again-〈下〉

「…じゃあ、ご飯で」

「あなたはご飯なのね、彼はパンだったわ」


彼とはカオルのことだろう。

カオルは朝にコーヒーを飲むのが好きだから、そのお供にパンを食べることを長い付き合いなので嫌という程知っていた。


「彼はいつもあんなに図々しいの?」

「え?」

「パン三切れも食べられたわ」


背を向けているせいで綺月の母親の表情は読み取れなかったが、声からして呆れているのだと分かった。


「お兄は朝も昼も夜も沢山食べます」


歯磨きを終えた奈都が、ちゃっかり俺達の会話に割って入ってくる。


「食費がかかりそうね」

「はい、まぁでもお兄のお金なんで」

「彼が稼いでいるとしても、お金の管理はあなたがしてるんでしょ?
たまには食べ過ぎだと叱ってやらないと駄目よ」

「はーい!」


奈都はすっかり綺月の母親に懐き、朝から周りをウロウロと付いて歩いていた。