海斗の箸が止まらないのを見ていると、ふとキッチンから米が炊き上がったことを機械音で炊飯器が教えてくれる。
それに母は箸を机に置き、すぐに茶碗にご飯を盛る。
「炊いたの?冷凍してるご飯まだあったよ」
母に善意で私が教えると、そんなのは分かっているという顔で頷きながら言った。
「炊きたてのご飯の方が美味しいから」
そう言うと、海斗の目の前に炊き上がったばかりのご飯を置いた。
モクモクと立つ湯気と、炊きたての良い匂いが食欲を更に掻き立てる。
海斗は軽くお礼の会釈をして、炊きたてのご飯を一口口に運ぶ。
私も海斗と同様に炊きたてのご飯を口に入れる。
口の中が火傷しそうになるくらい熱くて、でも心が温かくなるくらい優しい味だ。
物心ついた頃からずっと冷めきったご飯を食べていた海斗は、炊きたてのご飯の美味しさにただただ感動しているのか眉間に皺を寄せて、内側から込み上げるものを我慢しているように見えた。
「……美味しいです」
海斗はこの美味しさを噛み締めるように大事に感想を口にした。
今まで何度か手料理は食べたことがあった。
名前も忘れてしまうような香水キツい女が、家庭的なところをアピールしようと味付けの濃い手料理を海斗に振る舞った。
それを海斗は一口食べて、箸を机に置き食べるのを止めてしまった。
打算的に考えられた見映えが悪いその手料理は、決して美味しくも無く、海斗の喉につっかえるようだった。
それに母は箸を机に置き、すぐに茶碗にご飯を盛る。
「炊いたの?冷凍してるご飯まだあったよ」
母に善意で私が教えると、そんなのは分かっているという顔で頷きながら言った。
「炊きたてのご飯の方が美味しいから」
そう言うと、海斗の目の前に炊き上がったばかりのご飯を置いた。
モクモクと立つ湯気と、炊きたての良い匂いが食欲を更に掻き立てる。
海斗は軽くお礼の会釈をして、炊きたてのご飯を一口口に運ぶ。
私も海斗と同様に炊きたてのご飯を口に入れる。
口の中が火傷しそうになるくらい熱くて、でも心が温かくなるくらい優しい味だ。
物心ついた頃からずっと冷めきったご飯を食べていた海斗は、炊きたてのご飯の美味しさにただただ感動しているのか眉間に皺を寄せて、内側から込み上げるものを我慢しているように見えた。
「……美味しいです」
海斗はこの美味しさを噛み締めるように大事に感想を口にした。
今まで何度か手料理は食べたことがあった。
名前も忘れてしまうような香水キツい女が、家庭的なところをアピールしようと味付けの濃い手料理を海斗に振る舞った。
それを海斗は一口食べて、箸を机に置き食べるのを止めてしまった。
打算的に考えられた見映えが悪いその手料理は、決して美味しくも無く、海斗の喉につっかえるようだった。


