「だからAgainに囚われなくても、別に失ったとしても何も変わらないはずなんだ。
なのに、なんでこんなAgainを手放すこと惜しいと思ってしまうのか……」
海斗の話を私はずっと黙って聞いていた。
初めて海斗の心の内に秘めていた思いを聞いたが、私はその内容を更に掘り下げようと聞き返したり詮索したりはしなかった。
その話はもう終わってしまったのか、沈黙が流れても、私は口を開かなかった。
その時、一階から母が私を呼ぶ声が聞こえた。
「もうご飯みたい、行こう」
何かを言ってくれるのではないかと少しだけ期待しているように見える海斗は、何も言おうとはしない私に勝手に拍子抜けしたように息を吐いた。
部屋から出てリビングに戻ると、こんな短時間で母は十分すぎるくらいのおかずを既に机に並べていた。
「あなたがどれだけ食べるのか分からなかったから多めに作ったのよ、食べきれなかったら明日にでも食べて」
母の言い回しは明日もいていいという許しにも思えた。
三人でいただきますと手を合わせ、母が作った料理に向き合う。
「……うまっ」
海斗は母が作ったおかずを食べ、あまりの美味しさに思わず本音を漏らす。
その言葉になぜか私が満足げな顔をして頷いた。
なのに、なんでこんなAgainを手放すこと惜しいと思ってしまうのか……」
海斗の話を私はずっと黙って聞いていた。
初めて海斗の心の内に秘めていた思いを聞いたが、私はその内容を更に掘り下げようと聞き返したり詮索したりはしなかった。
その話はもう終わってしまったのか、沈黙が流れても、私は口を開かなかった。
その時、一階から母が私を呼ぶ声が聞こえた。
「もうご飯みたい、行こう」
何かを言ってくれるのではないかと少しだけ期待しているように見える海斗は、何も言おうとはしない私に勝手に拍子抜けしたように息を吐いた。
部屋から出てリビングに戻ると、こんな短時間で母は十分すぎるくらいのおかずを既に机に並べていた。
「あなたがどれだけ食べるのか分からなかったから多めに作ったのよ、食べきれなかったら明日にでも食べて」
母の言い回しは明日もいていいという許しにも思えた。
三人でいただきますと手を合わせ、母が作った料理に向き合う。
「……うまっ」
海斗は母が作ったおかずを食べ、あまりの美味しさに思わず本音を漏らす。
その言葉になぜか私が満足げな顔をして頷いた。


