再び、光が差す-again-〈下〉

私は何か部屋に変化は無いかと周りをグルグルと探索し、コーヒーが出来るまで時間を潰していると、カオルに後ろから抱き締められる。


「…ちゃんと火見てないと駄目だよ」

「久しぶりなんだから取り敢えず触らせろ」


カオルはそう言うと、私から体を離し、今度は私の正面に立つ。

そして、私の頬をスリスリと優しく親指で撫でる。


「…ん?どうしたの?」


何度も頬を撫でるカオルに、首を傾げる。


「綺月は俺のこと大事にしてくれるけど、俺は綺月を大事にしたい」


まさかまだ海の時の話を気にしているの?


「だから、綺月も自分のこと大事にしろ。
美月も母親のことも大事にして、俺はその後でいいから」


私は手を伸ばし、カオルの真似をするようにカオルの顔をベタベタと触り始める。


「…なんだよ」

「大事にしたいものに順番なんて付けないで。
私は全部全力で大事にするから」


私がそうであるように、カオルにも大事なものは全部大事にして欲しかった。