「聡が言ってただろ、Againを引き受けるか、ここで終わらせるか」


鋭い目つきで海斗を睨む。


「勝手に飲むなよ」

「女みたいにちまちま飲んでるからだ」


悪びれも全く無い海斗に大きい舌打ちをする。

海斗が言った通り、以前杏樹が来た時に聡から話があった。

元々Againを再結成したのは、杏樹を取り戻すためで、杏樹が戻って来た今Againを続けていく理由は無くなった。

そんな聡と一喜はゆくゆくはAgainから抜けると俺達に告げた。

Againを終わらせたくないなら、この中の誰かが総長になる必要があった。

この場所は、俺達にとっては大事で、この場所が住む家のようになっているメンバーもいる。

そんな居場所を奪うことはとても酷だし、なにより俺達も失いたくはなかった。

だけど暴走族が次々と消えていく中で、いつまでもここに縋りついてはいられない。

いずれはAgainも消える存在だ。

一度は解散しているし、再結成された理由もメンバーはみんな理解している。

頭の片隅にいつか終わりが来るとみんな分かっている。

残すべきか、手放すべきか、俺も海斗も幸人も雪希も決めかねていた。


「ちゃんと考えよう」


幸人の言葉に全員が頷いた。