再び、光が差す-again-〈下〉

杏樹はミナトの死が受け入れなくて、殺した奴がどうしようも無く憎くて、毎日毎日誰彼構わず殴り倒した。

息をすることも苦しくて、ミナトがいないAgainが信じられなくて、心も体も全部痛かった。

ミナトが死んでから二週間が経った時、聡の口からAgainの次の総長を決める話が出た。

ミナトがいないのにAgainを続ける理由が杏樹には分からなかった。

ミナトがいないAgainに存在価値は今の杏樹には無かった。

それでも聡と一喜は、ミナトが大事にしたAgainをここで終わりにする訳にはいかないと口にした。

だが、杏樹は「終わりにする」そう言って聞かなかった。

毎日毎日答えが出ない論争が起き、ついに杏樹と聡は血が流れるほどの大喧嘩をした。

何を言っても引き下がらない聡に、杏樹は怒りが抑えられなかった。

気付いたら手には刃物を持っていて、無我夢中で振り回していた。

気付いたら聡の額に傷をつけていて、自分の腕が血だらけになっていることにも気付かなかった。

怒り狂い我を忘れて、ミナトを殺した奴と同じことを聡にしていたことが信じられなくて、自分が自分じゃないみたいに怖かった。

いつか聡だけじゃなくて、一喜や他のメンバーのことも傷つけてしまうんじゃないかと怖くなった。