「綺月、洗濯物は私がやっておくからもう寝なさい」

「あー、でもこのくらいなら」

「いいから寝なさい、明日も学校なんだから」


掃除や洗濯、簡単な料理なら全て奈都に教えて貰って出来るようになった。

暇な時間があれば、洗濯物を畳んだり、掃除をしたりするが、母は決まってそれをあからさまに嫌がった。

お母さんも明日仕事のくせにと私は納得いってない顔で頷いた。

母はプライドが高い人だ、娘に負担をかける事が嫌なのだろう。

私は母の性格上、仕方の無いことだと割り切ってはいたが、本音を言えばもう少し頼って欲しい。

母は前みたいに私の成績についても触れなくなった。

むしろ、帰ってきてから一度も勉強の話はしていない。

なんなら、その話題を避けているみたいだった。


「難しい人だな、やっぱり」


私はフカフカなベットに寝転がり、不満を漏らした。

それでも、前みたいに窮屈に感じることは無くなったのは、母が気遣ってくれているおかげなのかもしれない。

その時、私の携帯にメッセージが届く。

送信主は奈都だった。